どうして症状がよくなっても抗生物質をやめてはいけないの?

薬剤耐性菌は、世界的に大きな問題となっています。新薬を開発しても、そのたびに耐性菌が出現し、いたちごっこにはきりがありません。そこで、今回は耐性菌と抗生物質についての議論をまとめました。

臨床研修医1 耐性菌が増殖して再感染を起こさないようにしてねと言われた…。けど、もし耐性菌に感染していたら、耐性を持つ抗生物質を投与し続けるとどうなるの?感染症が完全に治った後も抗生物質を飲み続けないと、耐性の発生率が増加するの?

薬剤師はみんな、処方された抗生物質を飲みきるように指導するけど、耐性の観点から言えば、必要もないのに抗生物質を飲むのは害しかないと思うんだけど。

おそらく、抗生物質を飲んでいる途中に、細菌が全部死滅していなくても症状が改善するんだろうけど…。でも、耐性には何にも関係ないよね。

ある内科医は、患者に症状が治まったらすぐに薬をやめるように言ってたけど、一方ほかの教授は反対のことを言っていたよ。

 

医学生1 君の学校は何も教えてないの?

 

医学生2 単に、症状がなくても、細菌が完全に死滅していないからっていうだけさ。

 

臨床研修医1 言い換えると、それは耐性とは何の関係もないよね。

 

薬剤師1 それは耐性に関係があるよ…抗生物質がよく効く細菌を殺している間、体の免疫システムは残りの細菌と闘っている。細菌をすべて殺してしまわないと、増殖してゲノムが混ざってしまう。そしたら、突然変異体ができてしまうかもよ。

 

薬剤師2 もし処方された抗生物質を半分しか飲まなかったら、抗生物質がよく効く細菌は死滅するけど、あまり効かない細菌は生き残ることになる。だから、我々薬剤師は耐性菌が増えると言っているんだよ。一回目に処方された薬で細菌を完全に殺さなければならないんだ。治らなかったからといって、もう一度処方してもらう事態は避けなければならない。

耐性よりも効果の方が重要だけど、耐性も役に立つときがある。君がしっかりと耐性について考えるのならね。

あと、なぜ君の知り合いが「症状が改善したら抗生物質をやめてもいい」と言ったかわかる?彼が左翼だからさ。

 

臨床研修医1 (薬剤師2の発言を受けて)

内科医は講義をしてくれた。一度感染したことのある細菌ならば、薬を飲む期間は短くしても問題ないと言っていたよ。彼は、アイビーリーグの医学部の教授だよ。

 

※アイビーリーグ:アメリカの名門大学の総称。日本でいう旧帝大のようなもの。

 

薬剤師3 処方された薬を半分飲んだところで症状がよくなったときについて話そう。感染の大部分はやっつけているけど(薬がよく効く細菌)、多少残っている(薬があまり効かない細菌)。薬を全部飲めば、細菌を殺すことができる。もしまたぶり返したら、その細菌を殺すのにもっと長い間抗生物質を飲まなくてはならなくなる。細菌を長い間抗生物質に暴露すると、耐性ができるチャンスが増加する。

 

薬剤師2 (臨床研修医1の2回目の発言を受けて)

彼は誤解している。その内科医には、抗生物質に関していい加減だと言いたい。

 

薬剤師4 症状がよくなった後に治療を中止することを推奨した新しい研究がJAMAで発表されたよ。

http://archinte.jamanetwork.com/mobile/article.aspx?articleid=2536180

 

※JAMA(The Journal of the American Medical Association:医学ジャーナルの名前)

 

薬剤師5 (臨床研修医1の2回目の発言を受けて)

もし抗生物質にさらされる細菌のゲノムが一つでもあるならば、薬の服用期間は短くすべきではない。

 

薬剤師6 (薬剤師4の発言を受けて)

正統性はなに?重複感染の予防?

 

薬剤師7 宿主の免疫系と免疫が応答するまでのラグタイムを忘れないで。

 

メンバー1 微生物の進化は速い。常に新種が誕生している。ところで君は怒ってる?理解できないことがあってもいいんじゃない。

 

薬剤師2 (薬剤師4の発言を受けて)

細かいことは気にしないとしても、彼らが本当に症状が治まったらすぐに治療をストップしたとでも?症状が少なくとも48時間以内になくなったら、5日後に治療をやめている。だから、そう、治療期間は確かに短かったけど、「症状がなくなったらやめる」ではなかったはずだ。(もし私が要約を正しく読めているならば)

 

臨床研修医1 (薬剤師2の3回目の発言を受けて)

これについてもう少し考えてみた…私が思うに、これは耐性菌がより問題になる病院で、よりあてはまるかもしれない。でも、もし複数の抗生物質を使って治療したら、これは耐性のリスクを下げることにはならないんじゃない?例え話をすると、患者にβラクタム系抗生物質とキノロン系抗生物質を処方したとする。もし細菌がペニシリン結合タンパク質に突然変異を持っていたり、βラクタマーゼを産生する場合でも、細菌はキノロンによって死滅する。だから、βラクタム耐性は表面化しない。私が思うに、すでに耐性菌は多数存在していて、細菌から細菌へ伝搬している。だから耐性菌が出現するのを防ぐのとは反対に、どんどん出現してしまっている。言い換えると、問題は、耐性遺伝子がすでに存在し、プラスミドによって、細胞から細胞だけでなく、種から種へと伝搬していて、その間にも細菌が突然変異を起こしているということだね。

 

※βラクタム系抗生物質:細菌の細胞壁合成に必要な酵素の活性を阻害する。

 キノロン系抗生物質:細菌のDNA複製に必要な酵素の活性を阻害する。

 

薬剤師8 (臨床研修医1の4回目の発言を受けて)

問題は、1つの細菌を治療している間に、人間の体内に存在する無数の細菌も「治療」してしまっているということさ。感染症の原因となっている細菌に対して耐性ができるだけでなく、別の細菌にも耐性ができる可能性があるということ。

 

筆者が膀胱炎にかかった時、お医者さん経過を見てもらったところ、「もう抗生物質は飲むのをやめて大丈夫だよ。」と言われたことがあります。やめて本当に大丈夫だったのかな…?

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