ホフマン症候群

男性医師:

うちの病院に外来で来た20歳の女性患者の症例なんだ。患者は両脚のふくらはぎが腫れて筋肉がこわばっていると訴えている。症状は15日前から始まったそうだ。さらんい両脚のふくらはぎの筋肉が痙攣して、しゃがんだ姿勢から立ち上がったり、階段を上るのが難しいらしい。

 

診察では、バイタルは正常値内だった。乾燥で肌はざらついてて、両脚のふくらはぎの顕著な腫れと両下肢の近位筋の委縮が見られた。それ以外は異常所見はなかった。

 

 

名無しの医師:

※デュシェンヌ型筋ジストロフィーか、ベッカー型筋ジストロフィーじゃないか?それか※脊髄性筋萎縮症の可能性もあるな。

 

※デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーは、筋肉の動きに関わる遺伝子の異常によって起こり、小児期や青年期に筋力低下をまねく。筋ジストロフィーには、これらの2つの型が最も多く見られ、ほとんどは男児が発症する。

 

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの最初の症状は、歩行開始の遅延、基本的な運動(歩く、走る、飛び跳ねるなど)が困難で転倒しやすい。このような症状が2~3歳で発症する。一方ベッカー型筋ジストロフィーは、それよりは筋力低下が重症ではなく、発症も12歳ごろからになる。

 

引用:http://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/筋ジストロフィーとその関連疾患/デュシェンヌ型筋ジストロフィーとベッカー型筋ジストロフィー

 

 

※脊髄性筋萎縮症は脊髄の運動神経細胞の病変によって起こる筋委縮症。症状は、体幹や四肢の筋力低下。小児期に発症するⅠ~Ⅲ型と、成人期に発症するⅣ型がある。

 

引用:http://www.nanbyou.or.jp/entry/135

 

 

男性医師:

いやどれも違うな。正解は、「ホフマン症候群」だ。ホフマン症候群は、甲状腺機能低下症性ミオパチーの一種だ。非常に特異で珍しく、近位筋の委縮や、筋肉の偽肥大が起こる。成人においては、これらの症状はホフマン症候群と呼ばれる。しかし小児の場合は、クレチン病とともに、Kocher-Debre-Semelaigne症候群と呼ばれている。両者の違いは、Kocher-Debre-Semelaigne症候群の場合は、筋肉の痙攣がないことだ。

 

原発性甲状腺機能低下症の臨床症状としてホフマン症候群が発症するケースはごく稀だけど、甲状腺機能低下症の明らかな症状がない時には、注意が必要だ。

 

さらにこれもまた稀なケースだけど、甲状腺機能低下症がミオパチーとして現れることもある。甲状腺機能低下症っていうのはミオパチーのあらゆる症例の鑑別診断として常に考えていた方が良い。

 

例えば、甲状腺機能低下症性ミオパチーというのがある。甲状腺ホルモンの不足により、代謝機能が低下し、たんぱく質や炭水化物の代謝が悪くなる。労作時の筋肉痛は炭水化物の代謝不良の典型的な特徴だ。筋肉の弛緩運動が遅くなるのは、おそらく速筋線維と遅筋線維の配置がかわることによって生じると考えられる。このような変化は、筋肉細胞中のミトコンドリアの酸化能力の低下やベータアドレナリン受容体の減少だけでなく、体にインスリン抵抗性がつくことで生じると考えられる。

 

粘液水腫は、軽い打撲の際に筋肉細胞が隆起する症状だ。でも甲状腺機能低下症の患者の3分の1で粘液水腫は発現する。これは筋小胞体の動きが原因で発現すると考えられている。筋小胞体からカルシウムが放出されると筋肉の収縮がおこり、もう一度カルシウムをポンプを使って再吸収すると弛緩が起こる。しかし、この再吸収が遅れると、筋肉が収縮したままで筋肉肥大の原因と考えられているんだ。

 

カルシウムの再吸収は、筋肉弛緩における※律速段階で、これは筋繊維に含まれるカルシウムATPアーゼの働きに支配されている。甲状腺機能低下症によって速筋線維中のカルシウムATPアーゼの活性が弱まると、筋肉の弛緩が遅くなり、偽筋緊張性の反射作用が起こる。

 

 

※律速段階:化学反応がいくつかの段階を経て進むとき,そのうちで変化速度が最も遅い反応段階。 この反応速度で全体の反応速度が支配される。

 

甲状腺機能低下症の患者のうち30-80%には筋神経系症状も見られる。筋肉の痙攣や近位筋の筋力低下(対称性)運動耐性の低下などが起こる。また約85%の患者は深部腱反射も遅くなる。約33%の患者は粘液水腫のような筋肉の隆起を発現する。ナトリウム低値による筋波動症が見られることもある。

 

甲状腺機能低下症性ミオパチー患者の筋電図所見では、陽性鋭波や複合反復放電が見られる。このように甲状腺機能低下症の患者には、一般的に筋肉症状(筋肉痛、脱力感、筋肉のハリ、痙攣、易疲労感など)が見られるが、筋肉のハリを伴う筋肥大が起こるのは10%以下だ。グリコサミノグリカンが貯まると腓腹筋の仮性肥大が起きる。筋力は変わらずに大きさだけが肥大するから仮性肥大と呼ばれるのさ。

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