上下で差異がある脳血管発作? この症状は稀なのでしょうか。

名無しの医師 1

ちょっとこちらでお伺いするのが適切なのか、正直迷っているのですが、ひとまず投稿します。もしご存じの方がいらっしゃれば、是非、ご返信をお願いします。意識不明の方がいるという救急車の要請があったので、一緒に乗って向かったのですが、いざ着いてみると、意識があって、不明瞭な発言もない 70 代と思われる女性をビュッフェで発見しました。その方は、食事はまだ取っておらず、左腕の痺れを訴えていました。

回内 (プロネーション: 手のひらを下に向けるように腕をひねる動き) 傾向を診るために簡単なチェックを行いました。右腕は上げられたのですが、左腕はだらんとしていて、回内は全くできず、左腕に関しては力も全く入らない状態でした。血糖値は 167mg / dL、脈拍 170 / 100、心拍 90 でした。ストレッチャーに乗せて、心電図に異常がないことを確かめ、顔面が下がっていないかを確かめました。しかめ面で、左は動かすことができるのですが、右はダメなようでした。感覚が麻痺しているのは左側です。他の原因を考慮して、つま先に力を入れられるかもチェックしました。左足のつま先を地面につけて押し下げることはできましたが、右はダメでした。押し下げたつま先を元に戻すようには指示しませんでしたが、左腕の麻痺とは反対に、右足は動かすことができませんでした。搬送中、左腕は動き続けていたのですが、患者さんは「私の左腕はいったいどうなってしまったの?」と聞き続けていました。そして左肩から動かないとずっと言い続けていました。
こういう症状の患者さんは診たことがなかったので、少々混乱してしまいました。無線で連絡を取っていたのですが、私の報告以外の情報はなく、やはり似たような発作の症例を診た医師はいませんでした。数時間で病院に戻ることはでき、脳卒中に違いないと断言する医師とともに、すぐに検査を始めました。脳卒中ではあるけれど、出血がないことを看護師と確認し、血栓溶解療法 (t-PA) を開始後、病棟に上げました。この症状を診たことがある医師がいなかったこと、救急診療部が忙しすぎてうまく私も説明が短時間ではできなかったことが原因で、誰にも聞けなかったし、説明することもままなりませんでした。ここにお集まりの皆さんの中で、脳血管発作で、反応に左右差がある患者さんを診たことがある方がいらっしゃれば、その経験をこちらでお話ししていただけたらと思いました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

名無しの医師 2 > 名無しの医師 1

何かベースの病気はある方だったのでしょうか。元々あった疾患と、今回のことで新たに逆サイドに出た症状という可能性はありそうですか。特異体質だった可能性はいかがでしょうか (第 Ⅴ 因子ライデンなど)。

 

名無しの医師 1 > 名無しの医師 2

第 Ⅴ 因子ライデンだったかどうかは不明です。しかし、以前に脳血管発作 / 一過性脳虚血発作を起こしたことはない患者さんです。患者さんに元々の疾病について聞いたかは正直なところ、覚えていません。だけど私にはどうにも以前起こしたことがある発作のようには見えませんでした。

 

名無しの医師 3 > 名無しの医師 1

大袈裟な患者さんだったのでは? 家庭内暴力はありそうでしたか。転換性障害の疑いはいかがですか。

 

名無しの医師 4

以前からある疾患ではないでしょうかね。身体失認であれば、左腕の実感がないことは説明がつくと思いますし、発作もその領域からきていると言えます。運動機能は損なわれていない可能性はあると思います。その場合でも四肢を意図的に動かせない症状も同時に持っていたと。ベースの疾患は症状の診断を複雑にします。自分も前に無反応の四肢麻痺の患者さんを診たことがあります。脳底動脈血栓症を併発し、ロックイン症候群になってしまった。

 

名無しの医師 5 > 名無しの医師 1

第 Ⅴ 因子の変異による凝固タンパクであり静脈血栓感染症 (VTE) の可能性があると思います (末梢動脈塞栓性事象ではない)。

 

名無しの医師 6

エコー検査が必要だと思います。数年前に似たような症状の患者さんを診たことがあります。神経内科の先生は検査では異常は認められなったので虚偽だったと言っていました。個人的な友人に神経系がいるので、この患者さんのことを聞いてみたんです。そしたら、次の 2 つの可能性を示唆してくれました。まぁ、嘘をついているか、敗血症のどちらかだろうと言っていましたね。

土壌にある乳酸菌 (ヨーグルトのではなくて) が大動脈弁についているのが検査でわかっていました。この患者さんの場合は、それがローマ花火のように小さな血栓となっていたんです。感染症科の先生は手術の前に適切な抗生剤を投与すべきだと言っていたのですが、心臓胸部外科の先生は血栓を取り除くことが先だと言って、両者折り合わなかった。その方針が決まる前に患者さんは亡くなりました。

 

名無しの医師 7

第 Ⅴ 因子も敗血症性塞栓の原因になると思います。第 Ⅴ 因子ライデンによる血栓は複数個所で発症します。後頭部での脳血管発作 / 脳幹梗塞も交差症候群の原因になります。多発性硬化症でもこの症状に類似した状態になりますが、急性ではまずならないですね。

もしその患者さんが 24 歳で脳神経に左右差があるとしたら、まず嘘かなと思います。70 歳という年齢を考慮するとですよ、それでも広範囲な脳卒中の可能性を考えても、その可能性は低いでしょうね (事前テストの確率を視野にいれてもです)。いずれにせよ、t-PA を用いた処置に入る前に、適切に、稀な症状も医師が説明できるといいんですが。

 

ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの医師 > 名無しの医師 7

複数個所で同時に凝血塊ができているとしたら、敗血症性塞栓で説明がつくのではないでしょうか。心房細動 (肺静脈からの電気興奮+異常な電気回旋<リエントリー>が生じる) でも同様の症状になりませんか? 敗血性塞栓以外にも、心内膜炎、全身性エリテマトーデス (SLE) /抗リン脂質症候群、または脈管炎症候群の可能性は?私がすぐに思い出せないくらい多くの難病がありますよ。本当に覚えきれない…。ると思います。脳幹梗塞では一部、反対側の身体欠損を伴い、同じ側の顔面欠損を生じることは知られていますが、上半身と下半身で反対側に症状が出るなんてことはあるんでしょうかね?

 

名無しの医師 2 > 名無しの医師 5

第 Ⅴ 因子ライデンが動脈性血栓症とは対照的に静脈性血栓症の原因になることをあまり理解していませんでした。臨床では 1 ケースしか診たことがなくて、しかも複数個所で脳血管発作の症状がある患者さんだったので。今ならあの患者さんはそんなにあるケースではなかったとわかります。70 歳という高齢を考えると、転換性障害の疑いは考えなくていいのではないかと思います。

 

名無しの医師 8 > 名無しの医師 6

詳細をもう少し知りたいのですが、他に話していただけることはありますか。手術をする前に抗生剤を投与するメリットはあったのでしょうか。

 

名無しの医師 6 > 名無しの医師 8

実は事後に聞いた話で、脳神経の先生は方針が決まった時、患者さんはすでに亡くなっていたと。それで、感染症科の方では、バクテリアが原因だと考えていたようでした。

 

名無しの医師 5 > 名無しの医師 1

結果として 2 つ考えられるんじゃないでしょうか。(もちろん、ここにお書きになったことだけで判断することになりますけれど。)

  1. どのみち、結果は同じだったのではないでしょうか。
  2. 手術をする前に急性感染症の患者さんに何も投与しないで亡くなる症例は聞いたことがありません (副作用や心臓血管外科の例外を除いて…)。

 

名無しの医師 10

第 Ⅱ 因子と第 Ⅴ 因子欠損の患者さんを診たことがあります。その方は 75 歳で、3 箇所に血栓がありました。50 代の娘さんがいらっしゃって、同じような症状を持っており、UCLA 研究所に登録されています。この疾病の研究では今までに 200 名しか登録されていないと言われています。とても稀な症状だと。娘さんは頻繁に痛みがあり、浮腫も見られます。脚には「数珠状」凝固が見られます。飛行機に搭乗する前はエノキサパリンナトリウム注 (Lovenox) を投与するようにしています。(娘さんは飛行機には乗れませんが。お2人ともかなりの肥満体質です。継承率は 50% と言われています。

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