前立腺がんの一症例について、治療の方向性はどう決める? アメリカとヨーロッパで意見は分かれるのでしょうか

名無しの医療関係者 1

現在 57 歳のアルコール依存症患者で、腫瘍マーカー (PSA) は 4 年間 3 ng/ml だったのですが、2 年間で徐々に 4 になり、最終的には5.5mng/ml に上昇しました。グリソンスコアはGS 3+4、6 コア、3+5、2 コアで、高リスクの診断結果でした。ロボット手術を行う予定でした。骨スキャン、頸動脈性門脈造影 (CTAP) はまだしていません。

ロボット手術の結果、グリソンスコアは 3+4、断端陰性なので取り残しなし (margins negative)、+ECE、感染なし、11 個のリンパ転移、1 個のリンパは前立腺前面脂肪組内で陽性 (ちょっと変わっているかもしれませんが)、その他のリンパは陰性、術後の腫瘍マーカー (PSA) は正常範囲内でした。

術後1 ヶ月半の間、順調に回復していきました。失禁も勃起不全もほぼありませんでした。手術の後遺症についてとても心配をしていた患者さんで、前立腺全面脂肪組織の陽性反応もあったので、こちらも注意して経過観察していました。マージン、エンドセリン変換酵素(ECE)、グリソンスコアの結果でアンドロゲン遮断療法 (ADT) と放射線療法 (RT) の併用治療を行うのは通常の流れだと思いますが、この状態で 3 ヶ月ほど経過観察を行い、腫瘍マーカー (PSA) がマイナスになれば、アンドロゲン遮断療法 (ADT) のみに切り替えようと思っています。皆さまから、この処方や経過観察の方法にご意見を頂きたいのです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

ヨーロッパの医師

そうですね、自分が治療にあたるとしたら、病理診断はもう一度見直すと思います。メラノーマ (悪性黒色腫) が pT3a (厚さ 2-4 mm、顕微鏡レベル、顕微鏡脂肪組織に浸潤する潰瘍) で後遺症がほとんどないなんて、嘘っぽい気がします。しかも断端陰性だったんですよね。
名無しの医療関係者 2 > ヨーロッパの医師

でもロボット手術の結果ですよね。

 

名無しの医療関係者 3 > ヨーロッパの医師

腫瘍マーカー (PSA) が術後 3 ヶ月で再上昇しない限り、再検査などの必要はないと思います。スレ主さんの情報を元に判断しますが、日々の経過観察で異常がないかを見ていくしかないですよね。ここにある情報はほんの一部だと思いますから。私も似たような患者さんを受け持ったのですが、こちらの患者さんの場合はとは違って、術後の PSA はとても高かった。診断結果と、術後の結果がなかなか一致しなくて、治療方針を決めかねてしまった。1-2 の陽性でしたがTNM 分類はT3a、GS 7-10、断端陰性 (比較的リスクは低い方) だったので、RT を追加する利点はなかったのですが、中間から高リスク群結果だったら利点はありましたよね。もしこの患者さんが戻ってきてグリソンスコアに頼らず積極的に治療したいと申し出たとしたら、結果はもっと違っていたはずと今でも思います。

 

名無しの医療関係者 4

仕方ないことなんですかね、ロボット手術の結果をそのまま信じるのは。

 

名無しの医療関係者 5

リンパ節陽性だと、放射線療法 (RT) は意味がないと思います。

 

名無しの医師 1

それはさすがに言い過ぎではないでしょうか。
http://ascopubs.org/doi/full/10.1200/jco.2014.58.1058
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11489709?dopt=Abstract
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25245445?dopt=Abstract
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24661660?dopt=Abstract

 

名無しの医療関係者 6

データがよくないと思います。議論するほどではないかと。ところで、ヨーロッパでのリンパ転移と放射線療法についてのデータはいかがでしょうか。

 

名無しの医師 1 > 名無しの医療関係者 6

非小細胞肺癌 (NSCLC) の患者さんにはX 線照射治療も意味がないってことなのでしょうか?

 

名無しの医療関係者 6

そういうわけではないでのですよ。胸部のポートの場合は少なくとも無作為試験を行い二次解析の結果によって変わってくると思います。繰り返しになってしまい、すみません。化学療法の計画外の無作為群の結果は、必ずしも質がよいとは限りません。しかしそのようなデータも出す必要はあるかと思います。
リンパ転移 (N) が認められた若年層の患者さんには RT も効果があると思いますが、遠隔転移 (M) が陰性なら温存するかもしれません。全米総合がん情報ネットワーク (NCCN) は外照射療法 (EBRT) とアンドロゲン遮断療法 (ADT) をカテゴリー1 の治療、術後ステージが 2b と診断された場合にADT 単独での治療よりも推奨しています。

 

名無しの医療関係者 7

そうですね。PSA が何かの原因で制御されている、または検出不可となった場合、アンドロゲン遮断療法 (ADT) +放射線療法 (RT) (ブリンガティのマッチング分析から、PubMed の PMID 21354694 参照) の治療を行います。PSA がまだ高い、または検出不可の場合はアンドロゲン遮断療法単独よりも治療効果が期待できます (57 歳で健康な患者さんならこちらの方を自分も選択します)。

自分は全米総合がん情報ネットワーク (NCCN: National Comprehensive Cancer Network) が アンドロゲン遮断 (ADT) を推奨していると思っていましたが、データはあまり揃っていませんね。(あまり丁寧な試験は行われていないような印象ですし、そもそも母体が小さい、それから欧州がん研究治療機関 (EORTC: European Organization for Research on the Treatment of Cancer) の試験はリンパ転移の患者を対象にした (初回治療は陰性) もので、米国臨床腫瘍学会 (ASCO:  American Society of Clinical Oncology) は以前の、2007 年のガイドラインの時点では、まず ADT 治療だと推奨していました。PSA 検出不可の場合の前提として、生涯に渡って (対ホルモン性) ADT が必須だと提唱する考え方には賛成しかねます。

 

ヨーロッパの医師 > 名無しの医療関係者 6

Wiegel (ワイゲル: ドイツで前立腺がんの術後 RT 試験を行った人物) が行った試験の結果ですが、術後の放射線療法はよくないという結末になったと聞いいたことがあります。

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