外傷外科についての質問 – 救急で脳死と判定された患者さんからの臓器摘出について

名無しの外傷外科医兼集中治療専門医 1
皆さんが勤務する医療機関または個人で、臓器ドナーになれると判断した患者さんが (例えば臓器ドナーになれる可能性があると判断する基準は、若年層など)、脳死判定を受けた患者さん、または事実上神経内科的な視点から見た身体的外傷があり、生存が難しいと判断した患者さんだった場合、手術室に搬送したことがある方はいらっしゃいますか (例えば、腹部に浸潤性の腫瘍がある場合や腹部への FAST (Focused Assessment with Sonography for Trauma: 外傷に対して的を絞った超音波による検索) ポジティブの鈍的外傷があったなど)?
その時の判定はどのようにしましたか? 手術は成功しましたか? 脳死判定が出た患者さんをドナーとするのは非道理的ですか? それとも現場では道理にかなっていることですか?

名無しの医師 1
質問の意図を測りかねていますが…、何を持って非倫理的とおっしゃっているのでしょうか? 手術室に患者さんを搬送するということをどのように理解しているのかわかりませんが、患者や家族からの承諾なしに手術を行うと思っているのでしょうか? 患者や家族への臓器提供に関する事前承諾説明資料は、とても一般的な内容で倫理的です。そこに倫理的な判断が必要な内容は含まれていません。率直に申し上げて、私のつたない意見ではありますが、回復見込みのない怪我をされた健常だった患者さんから臓器提供を受けないことを正当化する理由がほしいと思います。

名無しの医療関係者 1 > 名無しの医師 1
おそらくスレ主さんはこういうことを言いたかったのではないでしょうか。腹部を刺され、頭部を鈍器で殴られた患者さんが救外に搬送され、脳外的視点から回復の見込みがないと判定されたと想定します。手術室にこの患者さんを連れて行って頭部と腹部からの止血をするか、必要であれば脳死の判定が出るまで安静にするか、それとも家族に連絡をしてドナーになってもらえるかの承諾をえるのがよいのか。と、言う質問なのでは‽

名無しの医療関係者 2 > 名無しの外傷外科医兼集中治療専門医 1
このジレンマにデメトリアデスと LA の人々は独自のアプローチを提唱しています。こちらが関連するトピックのリンクです。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20729100)
このトピックについては他のスレッドで話題になったことがあったと思います。私もそこに自分の意見を投稿しました。

名無しの医療関係者 3 > 名無しの医療関係者 2
リンク先をクリックしてまで読みたくないと思う人もいるかと思いますので、紹介いただいた内容から、結論の箇所をそのまま貼り付けますね。
結論: 42 ヶ月の研究対象期間中に合計 263 人の患者が重症外傷に対する救命のための緊急開胸術 (EDT: Emergency department thoractomy) を受けた。脈拍が戻ったのは、そのうち85 人 (全体の 32.3 % に当る) であった。対象の患者のうち、37 人 (43.5 %) は手術室で死亡が確認され、48 人 (56.5 %) は回復し、外科の集中治療室へ移動となった。
全体のうち 5 人の患者 (1.9 %) は術後回復し退院に至ったが、11 人 (4.2 %) は潜在的な臓器ドナーとなった。11 人の潜在的な臓器ドナーのうち、5 人は鈍的な臓器機能損傷であった。11 人の潜在的な臓器ドナーのうち、8 人は臓器提供はしなかった。これは 8 人のうち 4 人に関しては家族からの臓器提供への同意が得られなったためであり、3 人は臓器の機能自体が思わしくなかったためである。11 人のうち 1 人に関しては、機能低下によるものであった。結果的に 3 人のドナーから 11 臓器 (腎臓 6、肝臓 2、すい臓 2、小腸 1) が摘出された。3 人のドナーのうち、2 人は潜在的な鈍的損傷があり、1 人は機能低下が見られた。
この結果を踏まえてスレ主さんの質問をもう一度見てみると、腫瘍のある患者さんの生命維持を図るには潜在的なドナーが必須なので、その介入手術についてではないでしょうか。患者さんの生命は開胸手術を行うことにで生存率があがります。
なので、頭部および右総腸骨動脈に銃撃よる損傷で運ばれてきた患者さんは、単純に開腹して腹部止血をすれば命に別状はありません。(このケースで考えられるのは脳への打撃で、心肺への影響はありません。)

名無しの医療関係者 3
ある程度、多くの腫瘍外科的介入が必要な場合 (例えば、緊急開胸、頭部損傷など)、現場では多くのスタッフや機材が 1 人の患者対応に必要となってしまうのですが、残念ながらその頑張った甲斐があまり見込まれない結果が想定されます。しかし、必要な処置を潜在的に失血の可能性がある腫瘍の患者さんへ、例えば 100 ユニットの濃厚赤血球を救命のために輸血するとなったら、検討の余地はあると思います。

名無しの医師 1 > 名無しの医療関係者 1
ええ、まぁそうですね。もしスレ主さんの質問の意図がそこにあるのでしたら、抱えているジレンマのニュアンスは伝わります。

名無しの医療関係者 1 > 名無しの医療関係者 3
そう、確かにその通りなのですが、正直ベースで言うと、緊急開胸術による処置が必要な患者さんの術後は予想通りに、悪いものです。なので、開胸に踏み切って臓器摘出する方がいいと思われます。重症患者さんの開腹は適切なトリアージの結果でよく行われます。

名無しの医療関係者 4
諸々考えると複雑ですよね。

名無しの医療関係者 5
多くの場合、脳死判定が出るまでには一定時間患者さんを安静にしておかないといけませんよね。個人的にはスレ主さんの意見に賛成です。自分も脳への影響が大きくない限り、手術室へ搬送すると思います。搬送の目的は臓器摘出ではなくてまずは患者さんを心肺停止にしないためですから。臓器摘出は手を尽くした後に出てくる考えですよね。
脳への影響が心肺へ直結するものだとわかったら、手術室へ搬送する必要はないと思います。処置するだけ無駄になってしまいます。もし瞳孔が開いてしまったら、脳内で損傷を受けた部位が耳から出てきます。そうなると、手術室へ搬送するか、その場で何もしないか判断を一時迷うと思います。

名無しの外傷外科医兼集中治療専門医 1
そう! それを伺いたかったのです。頭部を銃撃された患者さんは、損傷は頭部だけで、もちろん脳が飛び散っている状況などはありますが、腹部なら腹部の損傷だけと、その局部的な損傷だけなんです。
もし患者さんが局部的な損傷を受けただけで心配停止に至っていないとしたら、そして血液の量に問題がなかったとしたら、その時点で一旦手術室へ搬送しますか? すぐに臓器摘出とは判断できなくても、潜在的ドナーとして。でもこれは間違っているのでしょうか。

名無しの医師 2
脳への損傷が重ければ、患者さんの生命はそう長くない場合の方が多いです。脳全体に影響があるのか、頭蓋骨が車にひかれたなどで砕けているのか、そういった状況により影響の範囲は様々ですよね。そうなると、脳死になるまでの時間はそう長くありません。脳への損傷が激しい場合、生きる可能性は少ない、ドナーの可能性を考えた方がいいと言う判断になり、手術室へ急いで搬送する。そして着いたころには脳死が確定する。腹腔内の大出血は血行動態不安定の原因になり、脳内損傷を悪化させます。

名無しの外傷外科医兼集中治療専門医 1
なるほど。ありがとうございました。

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