患者の術中覚醒について ~痛み?反射?徹底的に討論!~

 

手術中に患者が目覚めたことはありますか?

1回以上ある 22.8%

1回だけある 8%

患者はそう主張していたが確実に目が覚めたとは言い切れない 26.3%

ない 42.1%

 

 

トピ主:

こういった現象が起こることは知っていたのですが、ちょうどこの話題についての新しいレポートをニュースで見たところでした。私自身もともと手術に興味があったので、それを見てますます興味がわいてきました。実際に、外科のレジデント、開業医、さらには医学生でさえこういった状況に直面したことがあるのだろうかと疑問に思っていました。

臨死体験についての話はみなさん聞いたことがあると思います。手術室の中で体が浮かんでいて、医師チームが自分の手術をしているのを上から見たり聞いたりしているのです。今回取り上げている術中覚醒の現象はこの臨死体験とは異なります

あなたの患者さんでこの術中覚醒を経験した方はいますか?その方たちの見解はどのようなものだったでしょうか?結果として何か害になるようなことはありましたか?

私がテレビで見た経験者の女性は、術後5年たった今でも眠るのが怖いと言っていました。睡眠障害など、その他にも問題があるようで、現在でも苦しんでいるようでした。その番組によると、術中覚醒は1000人に1人か2人くらいに起きる可能性があると報告していました。これらの大半の人たちは、部分的な意識状態に入っていて、何が起こっているのか部分的に把握しているに過ぎないと思いますが、私が聞いた話では、100%目が覚めた人がいて、ほとんどすべての出来事を思い出すことができ、手術中の医師の会話やジョークを言ったことなんかも覚えている人がいるそうです。

これは一般的なことなのでしょうか?そして大きな問題になっているのでしょうか?患者さんに、こういった可能性があると事前に警告していますか?一度だけでなく何度か起こった患者さんのケースはありますか? もしそうなら、その原因に関して一般的に浸透している意見とはどのようなものでしょうか?覚醒する人は薬を人より早く代謝させるのでしょうか?それとも用量が小さすぎただけなのでしょうか?

いくつかの薬の中には、他の薬よりこの種の現象が起きやすいなどということがあるのでしょうか? 私は、外科のローテーションからもう何年も経っているので、患者さんにどんな薬を使用していたか覚えていません。麻痺させるのにSuxやPanかそれらに近いものを使い、胃の分泌を抑えるために、確かアトロピンを使用していたと思いますが、意識を失うのに使われる最も一般的な薬って何ですか?ミダゾラム(Versed)でしたか?ジアゼパム(Valium)が使われているとは思いませんが、正確には覚えていません。

この種類の話に興味がありますので、情報をシェアしてもらえたらありがたいです。医師としてどう対応するか、起きる可能性を考えたときに、患者に対してどう準備をしておくか、起きてしまった後にどう対処するべきかなど方法があればアドバイスをお願いしたいです。

 

 

名無しの医師1:

まず言っておきたいのが、最近の研究で2000人の患者のうち1人が術中覚醒してしまったという結果は、BISモニターの製造者によって示されたものだということです。(その装置は、単純な脳波からバイスペクトル波解析を行い、ソフトウェアを使用して背景雑音、すなわち電気メス音を消すことができるデバイスです。覚醒に対して懸念を与えるための見せかけの数字を作ったのです。ですが、唯一の大きな問題は、主にプロポフォールと高用量の揮発性麻酔薬を念頭に置いて開発されたことです。)この研究は、すべての患者にBISを用いるための良い根拠となりますからね。でも、麻酔科医の多くは、ほとんどの状況でこれは無意味だと言っています。

2つ目の問題は、その数は平均であり、どういった状況下での覚醒ケースなのか考慮していないということです。患者が骨盤骨折で5分ごとに2リットルの出血があったとしたら(外科医が出血を止められず、大動脈を遮断せざるを得ない)、ほとんどの麻酔薬がその出血によって流されてしまいます。この場合には、外科医は患者を死なせないために何をしなければならないのかが重要です。覚醒が問題にはならないことを願うばかりです。(そういった状況のためにいろんな薬があります。私のお気に入りはスコポラミンIV)。

3つ目の問題は、患者が自分の覚醒について本当に正確に報告しているかということです。心臓麻酔の初めの頃には、術中覚醒は大きな問題だったということはみなさんも知っていると思います。非常に大量のフェンタニルを患者に与え麻痺させていました。その後、フェンタニルは健忘の原因となるものではないことがわかりました。術中覚醒はより大きな問題になってきています。なぜなら、以前よりもたくさんの種類の麻痺薬を使用しているからです(より短い半減期のより良い薬剤が多くなりました)。結果、適切に記憶を喪失することのない麻痺の潜在的な問題に患者をさらしています。ですが、ほとんどの場合、術中覚醒はまれな出来事であると言えると思います。

新人の医学生で外科を目指している人や若い外科医のために言っておきたいことがあります。患者が手術中に動いているのを見て、術中覚醒だと誤って判断しないように。それは脊髄反射です。単に脊髄レベルの麻酔が軽いことを意味しており、これは大脳での麻酔レベルと相互関係がないからです。

 

 

女性外科医>名無しの医師1

あなたは、「常に大量のフェンタニルを患者に与え麻痺させていました。その後、フェンタニルは健忘の原因となるものではないことがわかりました。」と言っていますが、麻酔薬は患者を麻痺させるのでしょうか?

それと、麻酔薬の「大量」投与は、少なくとも患者を意識下鎮静状態にし、多くて完全な非覚醒状態にするのではないのでしょうか?教えてください。

それから、「患者が手術中に動いているのを見て、術中覚醒だと誤って判断しないように。それは脊髄反射です。単に脊髄レベルの麻酔が軽いことを意味しており、これは大脳での麻酔レベルと相互関係がないからです。」と言っていましたが、これは私たちを怖がらせていますよ。脊髄反射なんでしょうか?思い出したのですが、乳幼児は痛みを感じないと信じていて麻酔なしで手術した医師がいるのです。また、動物は痛みを感じないと思っている人もいるようです。

私が患者の皮膚を切っている時に、力強く私のお尻をつかんで痛みに集中するその患者は、「脊髄反射」しているのではありません。その回路への局所刺激は何でしょうか?

患者が手術の間に抑えきれない痛みを経験することはあるでしょう。そして、もし彼らが薬による麻痺状態でなければ、彼らの鎮静のレベルに比例した動きで反応するでしょう。もし彼らが麻痺状態であれば、単純に頻脈になったり高血圧になったりするかもしれません。

人が激しく鎮静されている場合、反応を引き起こす唯一の刺激は何でしょうか?もちろん、それは痛みです。麻酔下にある人で、転げ回ってこわばっている人は、痛みに反応しているのです。そうでなければ、彼らは誰にも邪魔されない昏睡状態の幸せな状態で横たわっているはずです。

 

 

名無しの医師1>女性外科医

私たちは患者に大量のフェンタニルを与え、そして患者を麻痺させた(ベクロニウム、パンクロニウム、アトラクリウムなどで)、ということです。

それから、あなたが言った通り、大量の麻酔薬は完全な非覚醒状態をもたらします。無痛覚、健忘状態となります。反射消失の状態を生み出すことさえあり得ます(患者は刺激があっても動かない)。しかしながら、心臓の場合、大量の麻酔薬は投与されないことが多いです。手術中は刺激が強すぎて患者の脳が興奮することがあります。その患者は麻痺していて、大きな交感神経切除術を行うのに十分なフェンタニルを投与しますが、海馬での記憶形成を妨げるほどではありません。そのためには非常に強いGABA遮断が必要であり、麻酔薬はGABAにほとんど影響しません。GABAに必要な薬とは、ベンゾジアゼピン、プロポフォール、亜酸化窒素、揮発性麻酔薬。そして、ナイトクラブでのアルコールです(笑)

意識下鎮静は必ずしも健忘/意識の欠如とイコールではありません。意識下鎮静は外科医または手術を行う人への供給目的で作られており、患者の動き/抵抗をできるだけ少なくするために、そして記憶を妨害しないための多くの薬を用いて行われます。(低用量のケタミン、低用量のベンゾジアゼピン、陶酔させる麻酔薬)

 

 

名無しの医師1>女性外科医

あなたは少し混乱しているようですね。

  1. 患者は麻酔下で痛みを感じません。覚醒した大脳だけが痛みを感じます。患者が経験するのは、カテコールアミンと他の化学伝達物質の放出による交感神経活性です。そして時には非常に微妙なこともあって、患者が極度の痛みと表現するような覚醒のケースがありました。たとえ、血圧や心拍数が手術の初めから終わりまで変わらなかったにもかかわらずです。
  2. 乳幼児が痛みを感じるということについては私も同意見です。そして、発達した大脳を持った動物も痛みを感じます。蠕虫は痛みを感じるのでしょうか?私たちが痛みをどのように理解するか、そしてそれが大脳による複雑な解釈であることに基づけば、大脳がない蠕虫は痛みを経験しないという結論になるでしょう。しかしながら、蠕虫は釣り針などに引っ掛けられるとくねくねと動きます。これは反射です。神経系についてわかっていることに基づいて言えばそういうことになります。
  3. 患者が、過剰刺激を受けた時に突然揺れ動いたり、何らかの不随意運動をしたりしている場合、痛みを感じていないと私は主張します。なぜなら、大脳が切断されて、反射的行動を示しているからです。
  4. あなたのお尻をつかむ患者…それは高次の認知機能のしるしであり、したがって、患者が痛みに近づいているか、すでに痛みを感じていると主張できます。興味深いことに、私たちは感覚中枢を十分に鈍らせることができるのですが、ほとんどの患者が覚えていないのです。でも私はそれが本当に痛みだと思っています。
  5. あなたが言っていた、反応を引き起こす唯一の刺激が痛みだという点についてですが、それは明らかに間違っています。思い出してください。カエルを切り落とし/脊髄穿刺し、足の刺激で足が引っ張られるのを示した生物学の実験を。たとえ、脳死患者で実質的に痛みを感じることができない場合でも、刺激に引っ張られます。それは痛みではなく、反射です。

 

 

女性外科医>名無しの医師1

1と5についてですが、私は、麻酔下にある動物(人)が認知的に痛みを処理しないということには同意します。というのは、痛みを認識すること、思い出すことはないということです。ですが、彼らはそれでも痛みを「経験しているのです。

カエルの足は局所反射回路の刺激に反応します。人間の場合、下肢の脊髄反射は、ループ回路で中枢神経系とは独立しています。ですので、脳死患者の足に脊髄反応を生じさせることができます。しかし、脳死患者をジャンプさせたり、私のお尻をつかませたり、緊張させたり、手術台から降りさせたりすることはできません。たとえその患者の胴体をたたいたりしたとしても。人間の腹部の手術をしているとき、そこでの反応を腕につなぐ脊髄反射はありません。患者の腹部の皮膚を刺激することはできず、患者の手を刺激に向って動かすことができません。けれども、脳死ではない患者において一般的にそのような反応が見られることがあります。たとえ、深い昏睡状態にある患者でも。脳死ではない患者では、この反応が一般的にみられます。私たちはそれを「局所的な痛み」と呼んでいます。

もし軟部組織に扱っているところから電気メスでそこを焼くことに切り替えたら、それまで静かだった患者は、電気メスが騒音を発するたびに手術台の上でけいれんし緊張し、その患者は自分の組織が焼けている痛みを感じ、それに反応します。

患者はそれを思い出すことはありませんし、精神的にダメージを受けてはいません。それほど大きな問題ではありません。あなたがたはもっと多くの薬を投入するでしょうから、すべてはうまくいきます。けれども、あなたは私を説得することはできません。少なくとも今のところはできていませんね。ここでの刺激の反応は痛みの受信と応答ではないのです。

 

 

名無しの医師1>女性外科医

私の主張を無視すべきではないと思います。もし患者があなたのお尻をつかみ、それがとても意図的な動きであるならば、それはより高次皮質機能に起因した自発的な動きだということを意味していて、患者が痛みを感じていることを示します。

痛みの定義はこうです。「不快な感覚的および感情的な経験であり実際のまたは可能性がある組織損傷をともなう。」

痛みは定義によると皮質機能です。皮質なし=痛みなし、です。

もし私があなたの元彼の名前を挙げたとします。あなたは感情的な意味での痛みを感じるかもしれません。皮質機能があるからです。もし私があなたのつま先を踏んだら、あなたは感覚的な意味での痛みを感じるでしょう。それは皮質機能があるからです。

あなたはこう言っていました。「人間の腹部の手術をしているとき、そこでの反応を腕につなぐ脊髄反射はありません。」これは誤った発言です。それは間違いなく皮質下の反射を表しています。例をあげましょう。もし私があなたの背中を鞭で打ったとしたら、あなたの皮質下反射は僧帽筋を収縮させ、あなたの腕を引き戻します。それは不随意運動です。

手術中のバッキングは、完全に咽頭反射がうまく行われているサインです。これは脳神経反射で、痛みの兆候ではありません。

麻酔の深さは不随意運動と関係があるでしょうか?もちろんそうです。麻酔が深いほど、より反射消失が目立ちます。

皮質機能を脳の他の部分から分離するために必要な麻酔の量は、反射消失を作り出すのに必要な量よりもはるかに少ないのです。

あなたはどのように痛みを測定していますか?(特に、刺激によってすべての人が心拍数や血圧に変化が出るとは限りません)

痛みについての素人の考えはやめて、共通の医学的定義を受け入れる必要があります。

 

 

女性外科医>名無しの医師1

脳死患者がもし鞭で打たれたら、彼らの背中は仰け反り、腕は引き戻されるのでしょうか?

また、患者の皮下組織に電気メスを入れた時に、これまで反応しなかった患者が突然硬直し、電気メスを止めた時には緩み、再開したらまた硬直したとしたら、この反応についてどう説明しますか?これは、私が最近行った乳房復元の手術で起こりました。患者が見せた「反射」について私が麻酔科医に尋ねたとき、「患者さんは痛がっているんだよ。麻酔をもう少し追加するので少し待って。」と言っていました。

痛みという言葉の意味について屁理屈を言うつもりはありません。言い始めれば、興味深い議論には全くならないからです。あなたは、ほとんどの医師が「痛み」と位置付けている反応を表現するのに「反射」という言葉を使っています。いずれにしても、私があなたの手術台の上にいるとして、これらの「反射」を一つでも表していたなら、さらにいくらか鎮痛薬を投入してもらえればありがたいですけど。

 

 

名無しの医師1>女性外科医

脳死患者は脳幹機能を持たず、皮質機能をもたないので、彼らが表す唯一の反射は脊髄反射です。ですので、あなたの質問の答えはノーです。鞭で打たれた場合にのけぞることはありません。

意味論についてあなたが屁理屈を言うことができないのは、屁理屈を言えることが何もないからでしょうね。もしあなたが反射を痛みと呼ぶのなら、私は訂正します。もし私がoperationを使うべきところをsurgeryと言ったなら、あなたは私を正すことができます。どの専門にもそれぞれの専門用語があると思います。

乳房復元の手術についてですが、患者を緊張させてしまっていたのは、神経束に近いところに電気メスが入ったためではないでしょうか?

麻酔下であなたが反射を示していた場合(あなたはそれを「局所的な痛み」と呼ぶかもしれませんが)、私は最初にするのは、麻酔薬を投与することではないと思います。反射消失は鎮静とあまり関係がありません。反射消失を得るための、より適切で促進すべき方法は、GABAもしくは揮発性物質で麻酔薬をさらに深くすることです。

 

 

名無しの医師3:

意識的下鎮静はどうですか?すなわちミダゾラムは?私の妻がミダゾラムでの鎮静下での脊椎穿刺(実際にはブラッドパッチ)を行ったのを見たのですが、彼女は目を覚ましている間に大きな痛みを感じていましたが、もちろん何も覚えていませんでした。このような体験は幻の痛みや潜在的な問題を生じやすくなるのでしょうか。

 

 

女性外科医:

実際には、脳死の患者は髄質の脳幹機能を維持しています。だからこそ心臓が鼓動し続け、BPが維持されているのです。そうでなければ、彼らは単に死んでいることになります。

電気メスの話について、痛みを伝える神経の近くにあったからだとあなたは思っているんですね?私は、どのような体の部分を手術していても、それが起こるのを見てきました。私は、昏睡状態の脳損傷患者に対して、胸の皮膚を鋭く挟み込み、その時に彼らが侵害刺激を避けるために動くかどうかを見るテストしているのですが、それと電気メスでの動きは同じ神経反射でしょうか。

私たちが文書に使用する用語は「痛みに反応する」です。あなたの麻酔科の救急医療関係者は、別の用語を使用するんですか。

あなたは正しいことを言っていますし、効果的な麻酔についての薬理学もはるかによく理解されています。あなたの薬剤の選択について異議を唱えたつもりはありませんでした。正直な、あなたがどんな薬を選ぶかについてはあまり関心を持っていません。私が診ている患者が、重要な構造部付近を手術している間、安全に動かないでいてくれて、安定して、苦痛を感じていないようであればいいだけです。このシンプルな目標が達成されている限り、あなたがどんな薬理用語や専門用語を使おうとかまいません。

 

 

カンザスシティの医師:

名無しの医師1さんと女性外科医さん両方の言っていることに一理あると思います

 

 

オハイオの医師>女性外科医

あなたは、こう言っていましたね。「麻酔下にある動物(人)が認知的に痛みを処理しないということには同意します。というのは、痛みを認識すること、思い出すことはないということです。ですが、彼らはそれでも痛みを“経験している”のです。」

私はこのことについて混乱しています。

どういうことなのでしょう?痛みを「経験する」ことはできるけれど、それを「認識する」ことはできないのですか?両者の違いは何ですか?もし患者が痛みを経験している場合、それは彼らが痛みを感じているのかいないのか、どっちの意味になるのでしょうか?それを「感じる」というのは、あなたや私が今完全に意識のある中で「感じている」その状態を意味しています。

 

 

名無しの医師1>女性外科医

あなたの意見を聞くのは有意義だと私は感じていたのですが。攻撃したつもりはありませんでした。ですが、私が書いたことはすべてちゃんと実証されている内容です。

またあなたの意見を訂正しなければならないのを恐れているのですが…脳死の人は機能している脳幹を持っていません。これは脳死の基準の一部です。脳死の人はそのため無呼吸であり、脳神経反射はないのです(それらの主要部はすべて脳幹にあるので)。しかしながら、脳死患者には心拍があります。それは内因性の心臓ペーシング細胞(洞結節)に起因していて、そして頸動脈小体の反射弓、大動脈内の圧受容器、心房によって分泌されるANPおよびレニン‐アンデギオテンシン系によって調節される血圧をもちます。

電気メスが神経束の近くにある時に筋肉が緊張している理由は、反射ではありません。それは、筋収縮を導く遠心性運動性軸索の直接的な電気刺激なのです。神経組織の近くの焼灼は痛みを伴いません。軸索に侵害受容体がないためです。

「痛みに反応する」の裏側にある専門用語は正しくはありません。そして、使いすぎてしまうことで我々の専門用語になっていきます。ちょうど、ECGと書くべき時にEKGと書き込んでしまうように。その患者の反応の正しい表現は、「刺激に反応すること」です。

麻酔と患者の動きについての問題をあえて持ち出した理由は、好奇心の強い医学生/看護師が、患者が目を覚ましているのかどうか、いつも私に尋ねてきていたからです。私は、麻酔下での患者の動きが最小限であって、覚醒とは相互関係がない(覚醒状態の主要なプレーヤー)ということを指摘しようとしたのです。

 

 

名無しの医師1<オハイオの医師

痛みは侵害受容信号の皮質の解釈です。

大脳皮質が働いている(あなたが目覚めていて、麻酔されていないことを意味します)場合、侵害受容体を刺激するものはどんなものでも、脳によって痛みとして解釈されます。そうして人は痛みを経験し感じます。

大脳皮質が機能していない場合(死んでいる、または麻酔下にある)、侵害受容体を刺激するものはどんなものであっても、大脳皮質には気付かれず、痛みとして認識されません。しかしながら、これらの侵害受容体には皮質下、ホルモン反応があります。ですので、もしあなたが麻酔をかけられ、私があなたの足を切ったとしたら、攻撃・逃避反応を引き起こすので、あなたの体はカテコールアミンを放出することでとてもよく反応するかもしれません。血圧、心拍数は上がるでしょう。あなたの体は刺激に反応していますが、あなたは麻酔されているので、あなたの体はこれらの刺激を痛みとして解釈することができません。そして、あなたの脳がそれらの刺激を解釈しない限り、それらの刺激の記憶を持つことはできません。

これがあなたの質問の答えになるとよいのですが。

 

 

名無しの医師1<名無しの医師3

ミダゾラムは健忘の性質を持って鎮静を提供することができる一方で、決して鎮痛剤ではありません。

ミタゾラムで人工的に痛みの記憶形成を抑制しているので、潜在意識や“幻”の痛みに関するあなたの質問はとても面白いですね。

精神科の入院患者を診ていた時の話なのですが、あるベトナム人の獣医たちがいたのですが、信じられないほど恐ろしい精神的肉体的苦痛を経験し、ベトナムで起こったことについて完全に否認した中で何年も過ごしていました。まるで彼らの記憶形成が不活性化されたかのようでした。後になって、彼らは悪夢を見たりするようになりました。心的外傷後ストレス障害の症状です。感情的な苦痛を経験したために、完全に衰弱していました。

あなたへの答えにはなっていませんが、”幻”の痛みの話になったついでにある話をひとつ。腕や足を持たずに生まれた子どもたちは、その存在していない足に痛みを感じることがあるそうです(たとえ最初から足がなくても、です)。奇妙ですよね。

 

 

名無しの医師3:

私たちはこれまで、脊髄の円滑化とその関係する痛みについて多くことを読んできています。議論は、これが“幻”の痛みが存在する理由であるということです。神経根を持っている限り、痛みを感じます。 また、それは疑問を投げかけます。もし、手足が妊娠初期に存在していて、しかし何らかの理由であとから退行するとしたらどうなるか。それは手足を失ったからなのか、それとも初めからなかったのか?

 

 

名無しの医学生:

中心後回の皮質領域がその手足にまだ存在している、ということを忘れないでください。側方経路は変性かもしれませんが、皮質領域はまだ存続しています。

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